ありったけの愛を叫んで
倉庫からの帰りは朔夜が車で送ってくれた
ヤンキーとか不良とか、私のイメージの中では人を殴ったり蹴ったり傷つけあうことばかりしていると思っていたけど、それはどうやら違ったみたい
帰る時も、朔夜が私の手を取って階段を降りた
階段を降りる間、ぐるりと全体を見回してみる
カラフル頭の男たちは、ただの腕相撲に大声を上げて盛り上がっていたり、バイクに向かって真剣な表情で修理をしていたり…
そして降りてきた朔夜と私に気づき、
「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」
来た時のようなどっしりとした声が響く
朔夜はそれに「あぁ、おつかれ」とだけ返し、そのまま私をひっぱって歩く
車に乗り込んで、なんとなく気まずく手が離れて寂しくなった
なんで寂しくなったのか、自分でも分からないまままだ朔夜の手の温もりが残った手のひらを見つめて、ぼそっと聞いてみる
「…どうして、私をここに連れてきたの?」
私の小さな声はちゃんと朔夜の耳に届いていて、朔夜がゆっくり私を視界に入れた
「…わかんねぇ、
楽しかったか?」
朔夜もまた、つぶやくような小さな声
「うん、楽しかった
ヤンキーって、みんな髪の毛染めてるんだね」
私のそんな言葉にフッと笑った朔夜
少し口角を上げたその顔で、
「いつでも連れてってやる」
私の頭をポンポンと撫でた