ありったけの愛を叫んで


「可哀想に…

お前はこの家の奴隷だな」




階段の上から聞こえた声

近づいてくる足音

淡い光に浮かび上がったのは、不敵に笑った男の顔




───────あぁ、今日も私は汚れる




男に引きずられるように階段をのぼり、乱暴に投げ込まれたのはバイクのオイルがツンと臭う部屋


ベッドになぎ倒され、抵抗することを諦めた私はただただ、この時間が早く終わることを祈る




「最近泣かねぇよな、つまんねぇの」


そう言った男は、さっき付いた傷を痛めつけるように何度も何度も同じ場所を殴る




"痛い" なんて言葉で表現できるものじゃない


痛さも、辛さも、もう何も感じない


私はこの家の奴隷。


そしてこれは、神様が私に下した罰なんだ。







< 4 / 169 >

この作品をシェア

pagetop