ありったけの愛を叫んで


死ね、なんて言葉、軽々しく口にするものではない


私があの時あんなこと言わなければ、なにか少しでも変わっていたかもしれない


"不慮の事故" なんて言われているけれど、きっとこれは神様が私に下した罰




私のせいで 両親は死んだ

そしてそんな私のせいで この家は不幸になった






「いった…」



粉々のマグカップを拾い集めていると、人差し指に赤い血がにじんだ



それを合図に視界がかすんで涙が床にぼたぼたと落ちる




何故かこの時、優しく笑った朔夜の顔が、頭の中にぼんやりと浮かんだ





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