ありったけの愛を叫んで
その間もずっと繋がれていた朔夜と私の手


幹部室に戻ってきた時は手汗でびっちょびちょになっていて二人で笑った




朔夜はいつも倉庫を歩く時、私の手を握って歩く


前になんでだろうって悠に聞いてみたら、

『"こいつは俺のものだ、誰も手出すな"ってことじゃない?』

なんてニヤニヤして言われて真っ赤になった




全然構ってくれないし、無口で分かりにくいことが多すぎるけど、朔夜のそういう所が私は好きなのかもしれない




「私、朔夜の俺様なところも結構好きだよ」


すぐ隣に座る朔夜の肩に頭を乗っけてそんなことを言うと、


「やっぱお前ってMなのか」とか真顔で言いながら私の顔を覗き込んできた




「あはは!! やっぱり朔夜って天然だ!そういう所も好き!」


「うっせー」




そう言いながらもちょっとニヤけてる朔夜は完全に照れている




コツンと私の頭の上に朔夜の頭がのって、耳元でドクン、ドクン、と朔夜の心臓の音が聞こえてくる



安心する。



なんか眠くなってきた……









「うっわ!こんなとこでイチャつくなよ!!」



そんな陽人の声が聞こえるまでそのまま寝てしまっていたらしい私たちは、飛び起きて顔を真っ赤にしていた




それを見た悠が、
「初々しいね〜」 なんて冷やかしてきたから、きっと私たちはちゃんと付き合いたてのカップルらしくいられてるんだと思う



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