ありったけの愛を叫んで
新しい制服にそでを通し、手ぐしで髪を整える


さすがにこの時間、結翔(ゆいと)も花音(かのん)も学校でいない


おばさんは月曜は料理教室に通っていて姿がないため、警戒せずに階段を下りる




キッチンに行っても私の食べる朝食なんてあるはずもなく、コップに水を注いでゆっくり飲んだ




「いってきます」


広すぎる玄関に、私の声が響いて落ちていく


返事は返ってこない


1人の時だけでも、"いってきます"は
言うようにしていた




家から歩いて10分くらいの駅から乗った電車で10分ほど揺られる


降りた駅から学校までは歩いて3分もかからない


一度おじさんと確認した道のりを進みながら、自分のこれまでを思い出していた









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