ありったけの愛を叫んで
大晦日が明日にせまった12月30日の夜


3か月ぶりにおじさんが家に帰ってきた


冬休みは毎日倉庫に行けると思っていたけど、きっとおじさんに暴走族と一緒にいることがバレたら心配をかけてしまうから
おじさんが仕事に戻るまでは家にいようと思った






「今年は5日も休みが取れたんだ、

久々にゆっくりできるな」


そう嬉しそうに言いながら、おじさんはたくさんの"おみやげ"を出していく




私の大嫌いな時間が始まった────




おじさんが仕事に戻ったあと、どんな仕打ちを受けるんだろうと考えただけで 胃がキリキリ痛む


いつもおじさんは、私だけに特別をくれる


きっとそれは、両親のいない私への優しさ


それが私の苦だなんて、おじさんは全く知らない



結翔には、最近はまっているらしいバイクの部品

花音には、高校で使いなさい とたくさんの勉強道具


そして私には、ブランド物の服、大量の高級そうな化粧品たち


いわゆる デパコス と呼ばれるもの




私はあまり化粧をしない


反対に、花音のメイクはいつも濃かった


花音がグッと手を握りしめてデパコスを睨んでいるのが見える




今回の仕打ちは、いつもよりひどいかもしれない────





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