ありったけの愛を叫んで




私が小学五年生の11月23日、両親は不慮の事故にあった


2人が路上を歩いていた時、建設中だった高層ビルの足場が崩れ何本もの鉄パイプが落下し、直撃した


お父さんはお母さんをかばって即死、


傷だらけのお母さんは病院で私の手を握り、


「私たちの分まで生きて、幸せになりなさい…」


そんな言葉を残して旅立った。



私はすぐにお父さんの兄(洋一)おじさんに引き取られ、その家族と一緒に住むことになった


おじさんとおばさんはとても優しく、長男であり同い年の結翔(ゆいと)や、その妹の花音(かのん)とも仲良くなれた



そう、思っていたのに──────



おじさんは有名な大手不動産会社の社長


私を引き取ってしばらくあと、会社を大きくするために忙しい日々が続き、月に一度、会えるか会えないかくらいになった




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