ありったけの愛を叫んで



「みーつきーーー!!」




キラキラ笑顔を振りまきながら駆け寄ってくるのは私の憧れの人──────麗香さん


私の隣に立つのは、その声を聞いて見事に顔をひきつらせた陽人




なぜこんな謎すぎるメンツなのか、


それは、さかのぼること1時間ほど前…




『行かなくちゃ行けないところがある』
と言った悠は、


『俺たちから誘ったのに本当にごめんね』
と申し訳なさそうに言い、


『陽人 起こして初詣でも行ってきな』
と、提案してくれた




陽人と二人で初詣…


食べ物系の屋台を全制覇する陽人の姿が頭に浮かんだ頃、




『姉貴 呼べよ、

アイツはこっち来なくてもとがめられねぇだろ』


私服に着替えて部屋を出てきた朔夜の提案に、
『あ、その手があった』と納得したように悠が言い、どこかに電話をかけた




その後ふたりは颯爽と出ていき、まだ爆睡していた陽人を叩き起して見送った




いつもの高級車は朔夜専用らしいため、
この1月の凍えるほどの寒さの中


陽人の爆走するバイクで向かったのは悠から指定された神社


寒かったし、風が顔に突き刺さって痛かった…




到着してしばらく待って、今に至る、、




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