ありったけの愛を叫んで
「今日はいっぱい買い物しようね!!」




そう言ったハイテンションな麗香さんは
初詣をさっさと済ませたのち、宣言通り、
自分の分も 私の分までもどんどん購入してくれて、その度に陽人の両手はふさがっていった




久々にショッピングというものをして、本当に久しぶりに自分の欲しいと思ったものを買って貰った私は


お正月とはこんなに嬉しい日なのかと思い知る






「晩ご飯、何にしよっか!」


「麗香さん何食べたいですか?」


「あたしはなんでもいーわよー、美月が食べたいもの言って?どこでも、なんでも食べさせてあげる!!」




麗香さんは本当に太っ腹だ


だいたい5万円もする福袋買った上に、ブランド物のショップバックいくつ陽人に持たせてるんだろう…




もう日も落ちかけてきて、夕食を何にするか
カフェの外にあるテラスで話し合っている最中、麗香さんの携帯が鳴った




「はぁ?!なんで?!

あたしは来なくていいから朔夜と悠連れてこいって言ったのそっちじゃない!!」




電話相手にキレる麗香さんを見て、お昼の悠の電話を思い出す


あれは麗香さんだったのか…




なにか揉めていたみたいだけど、最後には「分かったわよ!」と大声を上げ

ブチッと電話を切った麗香さんは私へ向き直り




「ごめん美月、あたしも行かなきゃ」




少し眉を下げて悲しそうに謝った麗香さんの姿が、ちょっとだけ悠と重なって見えた








麗香さんが去った後、私は疲れきった様子の陽人に声をかける


「陽人、大丈夫? もう帰る?」


少しお腹が減ったけど、きっと陽人はもう眠たいだろう




「帰るってどこに?」


「…倉庫?」


陽人の質問に少し考えてそう答えると


「どーせ倉庫帰っても飯食いに外出るだろ

なら今食ってこーぜ」


なんとも前向きな言葉に 「うん!」 と大きくうなずいた




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