ありったけの愛を叫んで







「朔夜がヤクザだってこと?」








私が投下した爆弾に、陽人が水を吹き出した



「っわぁ! ちょっとこっちまで飛んできた!」



パスタ食べきってて良かった…




「わりわり……

お前… 知ってたのか…?」


陽人が口をティッシュで拭きながら私の様子をうかがってくる




「夜中に目が覚めて…

見ちゃったの、朔夜の背中」




考えるように黙りこむ陽人に続けて言う




「びっくりした、ちょっと怖いって思った


でも、綺麗だった」







陽人は教えてくれた


朔夜は20歳になったら、神野グループと呼ばれる組の、若頭になることが決まっていること


悠も、その補佐として ヤクザとして生きていくということ





「詳しいことは俺から言うことじゃねぇ、

ちゃんと朔夜に聞け」


そう言って笑った陽人の顔は、さっきテーブルを水浸しにした人とは思えないほど、爽やかイケメンだった







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