ありったけの愛を叫んで
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冬休みが終わり、学校が始まる


寒さの厳しい教室で、カイロで手を温める


隣には、机に突っ伏して寝ている朔夜


あの日から、一言も言葉を交わしていない




あれから朔夜とは冷戦状態が続いていた


もともと朔夜から話しをふってくることは少ないため、私が話しかけない限り二人の間に会話はない


目が合っても私はすぐにそらしてしまう


朔夜は時々なにか言いたそうにしていたけれど、私は気づかないふりをした




結局 逃げているのは私なんだ




こんな空気で幹部室にいるのは悠と陽人に申し訳なくて下に降りて過ごす日が多くなり、2月に入った頃には倉庫に行かなくなった



毎日 悠は学校で、「今日はどうする?」 と誘ってくれたけれど行く気になれず、早く家に帰る日が増えた


朔夜と顔を合わせるのが辛くて、バイトもしばらく休みを取らせてもらった




でも、家には危険が多くある


早く帰れば おばさんや花音の暴力を受け、
夜は結翔に襲われた




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