ありったけの愛を叫んで
私がこの家に来て、5ヶ月くらいたったある日のこと


おじさんが仕事に戻った後、花音にバケツに入った大量の水をかけられた


自分の部屋で、塗り絵をしている時だったと思う




びしょびしょに濡れた部屋、へばりつく冷たい服




その様子をドアの向こうからおばさんと結翔が見ていた。




「冷たいじゃん!なにすんの!」


声を荒らげた私に花音が言った




「あんたが悪いんじゃん、あんたなんて来なければ!

花音のパパを返して!!」




その言葉でよみがえる記憶、あの日私が言ってしまった言葉




全部、私のせい。

そう、すべて私が悪いんだ。




あの日、お父さんとお母さんに酷い言葉をぶつけた


そのせいで2人は死んだんだ




ハァ、ハァ、と呼吸がどんどん荒くなる




私のせい、私のせい──────




いつの間にか部屋から花音達は消えていた


外側から鍵をかけられていて、暖房のリモコンも取られていた




寒くて冷たくて、そして胸の奥がズキズキと痛んだ




この日からおじさんのいない日、私はこの家の奴隷になった




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