ありったけの愛を叫んで





大きなキャリーバックを持ってエレベーターから降りる


前を歩く朔夜の肩には、私のもうひとつの荷物である大きなボストンバッグがかかっている


最上階のひとつしかない扉の鍵が、朔夜のカードによってカチャッと開いた




今日から私はここに帰ってくるらしい




中に入って荷物を置くと、カードキーを渡される


「ずっと一緒に行動って訳にもいかねぇからな

念のためだ」




その言葉が、できる限りは一緒にいてくれるということを遠回しに伝えていた




あの日言い争ったこのリビング


あの喧嘩のようなものからもう1ヶ月以上が経っていた




お湯を沸かしてカップラーメンを作る朔夜

洗濯物をたたむ朔夜

部屋に掃除機をかける朔夜



全部が新鮮で、普段からは想像もつかない




キッチンのゴミ袋には大量のカップ麺のゴミが入っていて、

"最近は毎食カップ麺"

なんて恐ろしいことを言った朔夜にハンバーグとおみそ汁を作り、
しばらく使われていなかっただろう炊飯器でご飯を炊いた


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