ありったけの愛を叫んで

〜Side 朔夜〜

まだ6才のとき、親父が人を殺すのを見た


何度も何度も倒れた男にナイフを突き刺して、赤い液体が飛び散っていた




自分の家がおかしいことくらい、物心ついた頃には分かっていた




幼稚園の送り迎え、俺はいつでもデカい車にはげたオヤジ


他のみんなは母親がチャリで迎えに来て後ろに乗って帰っていく




友達は俺のその迎えをかっこいいと言ったが、

チャリの後ろで嬉しそうに手を振って帰っていくみんなが幸せそうに見えて、羨ましかった




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