近くの光に癒されて。
「七、拓真くんと仲良くしてね!」
そうママが言って、それに続いて悟さんも
「急になってごめんね。七ちゃん。拓真と仲良くしてやってくれ。これからよろしくね!」
すっごく優しそうな顔で言ってくれた。
2人の表情から、家族になりたかった人と家族になれた!という喜びが溢れているようだった。
私は、「うん。」とだけ答えて、すぐに食べ終えて逃げるように部屋に戻る。
態度が悪いって思ってても、あの空間にいられなかった。
ママを少なくとも傷つけていることも分かっていた。
ただ、気持ちの整理をさせて欲しかった。
そういえば、黒石拓真は、ずっと黙って食べていた。
さっき、無視しちゃったから怒ってるのかな…
それとも、私がすごく気に入らないのだろうか。
ベッドに寝転び、ひたすら天井を眺める。
何分経っただろう…
そろそろ、気持ちの整理がついてきてやっと起き上がってお風呂に入る。
湯船に浸かりながら、また考える。
悟さんが、お父さんになるのはすごくいいと思う。
ママが選んだ人だし。
でも、やっぱり黒石拓真は分からなかった...
何が?と聞かれると答えられないけど。