偽りの愛で、永遠の愛を誓います
顔合わせ
蒼弥さんに偽りの夫婦ならいい、という話をして以来、我が家はすっかり会話がなくなった。
それなのに、今日は私が蒼弥さんのご両親に会う約束がある。
正直言って断りたかったが、断る訳にもいかず、結局ご両親に会うことにした。
私は、自分の実家に蒼弥さんと同棲していることを話していない。
話す気にもなれないし、説明が面倒臭いから後回しにしている。
「琴葉、無理に付き合わせてすまない」
「別に問題ありません。今日、丁度予定空いてましたから」
「そうか。ならいいんだ」
必要最低限の会話しか話さなくなった私たちは、傍から見たらどんなふうに見えるのだろう。
仲睦まじい夫婦に見えないことは、間違いない。
「着いたよ。もう既に、両親は中で待機しているそうだ」
「えぇ、わかりました」
蒼弥さんに連れられて来たのは、老舗の料亭。
さすが、お金持ちはいいお店を知ってるな。
私たちが中に入ると、そのまま一番奥の部屋を案内された。
「父さん、母さん久しぶり」
「蒼弥、久しぶりだな。琴葉さんもよく来てくれたね」
「初めまして、高橋琴葉です」
「相変わらず、可愛らしいお嬢さんね」
「さぁさぁ、早く座って」
蒼弥さんのご両親は、私のことを歓迎してくれた様子だった。
席に着くと、様々なお料理が運ばれてきた。
どれも美味しそうだが、緊張して食欲など湧かない。
「さぁ、頂くとしよう」
お父様のその声を合図に、私たちは料理に手をつけた。
蒼弥さん曰く、父の言うことは絶対でお母様でさえ逆らえないという。
「で、結婚の準備は進んでいるのかい?」
「その話なんですが、今琴葉とも話し合っております。なかなか気に入る式場がなくて」
「1回きりの結婚式だし、最高の式になるといいわね!」
「琴葉さんは、どんな式がいいんだい?」
急に話を振られて、私は戸惑う。
でも、ここで答えなかったら不自然だし、私はなるべく笑顔で答えた。
「私は、神社で式を挙げたいと思っております」
「神社で結婚式なんて、素敵ね!」
私の答えに、お母様がノリノリで反応してくれる。
神社で結婚式を挙げたいのは事実だが、愛している人と挙げたい。
蒼弥さんと式を挙げてしまったら、もう二度と他の人とは結婚できない。
だからこそ、私はどうすべきなのか考えた。
「式の日程が決まったら早めに連絡してくれ。仕事の都合があるからな」
「あぁ、なるべく早めに連絡するよ」
蒼弥さんの言葉に、お父様が微笑んだ。
それから、料理を食べながらしばらく雑談して、その場はお開きとなった。
蒼弥さんのご両親は、また食事に行きましょう、と言ってくださった。
それなのに、今日は私が蒼弥さんのご両親に会う約束がある。
正直言って断りたかったが、断る訳にもいかず、結局ご両親に会うことにした。
私は、自分の実家に蒼弥さんと同棲していることを話していない。
話す気にもなれないし、説明が面倒臭いから後回しにしている。
「琴葉、無理に付き合わせてすまない」
「別に問題ありません。今日、丁度予定空いてましたから」
「そうか。ならいいんだ」
必要最低限の会話しか話さなくなった私たちは、傍から見たらどんなふうに見えるのだろう。
仲睦まじい夫婦に見えないことは、間違いない。
「着いたよ。もう既に、両親は中で待機しているそうだ」
「えぇ、わかりました」
蒼弥さんに連れられて来たのは、老舗の料亭。
さすが、お金持ちはいいお店を知ってるな。
私たちが中に入ると、そのまま一番奥の部屋を案内された。
「父さん、母さん久しぶり」
「蒼弥、久しぶりだな。琴葉さんもよく来てくれたね」
「初めまして、高橋琴葉です」
「相変わらず、可愛らしいお嬢さんね」
「さぁさぁ、早く座って」
蒼弥さんのご両親は、私のことを歓迎してくれた様子だった。
席に着くと、様々なお料理が運ばれてきた。
どれも美味しそうだが、緊張して食欲など湧かない。
「さぁ、頂くとしよう」
お父様のその声を合図に、私たちは料理に手をつけた。
蒼弥さん曰く、父の言うことは絶対でお母様でさえ逆らえないという。
「で、結婚の準備は進んでいるのかい?」
「その話なんですが、今琴葉とも話し合っております。なかなか気に入る式場がなくて」
「1回きりの結婚式だし、最高の式になるといいわね!」
「琴葉さんは、どんな式がいいんだい?」
急に話を振られて、私は戸惑う。
でも、ここで答えなかったら不自然だし、私はなるべく笑顔で答えた。
「私は、神社で式を挙げたいと思っております」
「神社で結婚式なんて、素敵ね!」
私の答えに、お母様がノリノリで反応してくれる。
神社で結婚式を挙げたいのは事実だが、愛している人と挙げたい。
蒼弥さんと式を挙げてしまったら、もう二度と他の人とは結婚できない。
だからこそ、私はどうすべきなのか考えた。
「式の日程が決まったら早めに連絡してくれ。仕事の都合があるからな」
「あぁ、なるべく早めに連絡するよ」
蒼弥さんの言葉に、お父様が微笑んだ。
それから、料理を食べながらしばらく雑談して、その場はお開きとなった。
蒼弥さんのご両親は、また食事に行きましょう、と言ってくださった。