へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「マネージャー……何のことですか?」
「しらばっくれてもダメ! 雅がハッピーソングを歌う時に輝きがなくなったのは、明梨ちゃんと会えなくなってからでしょ!」
するどい……
「ステージの上で明梨ちゃんがいないか探していることだって、知ってるんだからね」
マネージャー。
もしやあなたは、天才魔術師ですか?
俺に催眠術をかけて、心の奥に鍵をかけてしまっていることを吐かせているとか?
怖っ!!
「マネージャー、ムリですよ。だって俺、明梨ちゃんと同じ高校に通っても、声をかける勇気なんてないし……」
「ムリって何なのよ。これは遊びじゃないの。ビジネスなの」
「そんなこと言われても……」
「明梨ちゃんが無理なら、他の子でもいいわ。一生大事にしたいと思える相手と恋をしなかったら、雅をアミュレットのメンバーから外す」
「それってもう、俺の夢は叶わないってこと?」
「もし雅がこの事務所をやめて他に移っても、メジャーデビューできないように、私が徹底的にあんたを潰すから!」
この人は、俺より5歳年上なだけ。
アミュレットのメンバー以外と接するときは、女神さまみたいな優しい笑みを浮かべるのに。
なんで俺たちには悪魔……
いやいや、魔王並みに厳しいんだ!
綾星!
マトイ!
春輝!
誰でもいいから、俺を助けてよぉ~~