へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
恋ちゃんからのお弁当
*
☆明梨side☆
「明梨、忘れずに持ってくれた?」
「カバンに入れたよ。恋ちゃんが作ってくれたお弁当」
お弁当はいつも、自分で作っている。
でも今朝は珍しい。
目覚めたらすでに、お弁当が用意されていたんだ。
「俺が早起きして作ったんだから、残さず食べてね」
「もちろん。恋ちゃんが私のためにお弁当を作ってくれるなんて初めてで、嬉しいし」
「俺が明梨のお弁当を作ることは、止められているからね。桃には内緒だよ」
「言うわけないでしょ。お母さんと連絡とってないし」
「そろそろ仲直りしたら?」
「……嫌」
「アハハ~」
「なんで笑うの?」
「頑固なとこ、母親のDNAをしっかり受け継いでるなって思って。性格は穏やかな十環っち似の方が、生きやすいよ~」