へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「お父さんとお母さんの話はしないでって、いつも言ってるでしょ」
「明梨、スマイルが大事だよ。ほら笑って笑って、笑顔笑顔」
「姪っ子のほっぺをツンツンしないで。恋ちゃんニヤニヤしすぎ!」
「朝から甘吠えの明梨見てると、子供の頃の桃と重なっちゃう。懐かしくて頬が緩んじゃうよ~」
「だから、私とお母さんを重ねないでってば」
「アハハ~ 俺の姪っ子は世界一可愛いなぁ。 ところで明梨、時間大丈夫?」
今朝はお弁当をつくらなくてよかったから、時間なんて余裕余裕……って。
あっ、もうこんな時間か。
珀ちゃんが来ちゃう。
外で待ってないと。
「じゃあ恋ちゃん、学校に行ってきます」
「行ってらっしゃい。素敵な一日を~」
穏やかな笑顔の恋ちゃんに見送られ、私は家の外に出た。
まだ珀ちゃんの姿はない。
お店の壁にもたれながら青空を仰ぐ。