へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「あっ明梨ちゃん、ごめんね。遅くなって」
「私も今来たところだよ。でも、何かあったの?」
はぁはぁ~と、息苦しそうだけど。
「女の子たちに追いかけられちゃって。誰にも見つからないように講堂に入りたくて、学園中を走り回ったから」
「アハハ~」
「明梨ちゃん。何が面白かった?」
「何でもないよ」
「なんでもないって言いながら、まだ笑ってるじゃん。俺のこと」
それはね……
「女の子たちから逃げ回る、暴走ワンコを想像しちゃって」
「俺、犬じゃないし」
膨れるような雅くんの表情。
そしてお互いの視線が絡み合って、同時に笑った。
アハハハハって。
なんかこの感じ、久々だぁ。