へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
なんてを言ったらいいかわからない。
珀ちゃんも何も口にしない
しばらく続いた無言の時間。
どうしていいかわからなくてうつむき続けていたとき、珀ちゃんの苦しそうな声が降ってきた。
「オマエさ、もう俺に話しかけんな」
ハッとして、珀ちゃんの顔に目を運ぶ。
珀ちゃんは私に背を向けたまま、優しさを含んだ穏やかな声を発した。
「TODOMEKIの姫もやめろ。オマエがいると、仲間の前で胸張ってらんねーから」
「……うん」
珀ちゃん……ごめん……
本当に……ごめんなさい……
珀ちゃんが振り返った。
唇をぎゅっと噛みしめて、床に目を落としている。
珀ちゃんのこんな苦しそうな顔、初めて見た。
そんな顔をさせてしまったことに、私の胸が押しつぶされるように痛む。
珀ちゃんは顔をゆがめたまま、私の頭に手を乗せゆっくりと2回撫でると、講堂の出口に向かって歩き出した。
私は珀ちゃんの背中を見つめたまま、立ち尽くすことしかできなかった。