へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
手を叩きながら、大げさに喜んでいる学園長。
でも私の心は闇に真っ逆さま。
行きたくない。
聞きたくない。
心の奥からの叫び声に、体中が締め付けられるように痛みだす。
痛みを感じる範囲が広すぎて、どこが痛いのかさえわからない。
学園長に、早く私の前から去って欲しい。
一人にして欲しい。
苦しみをごまかすように窓の外に目を移した時、学園長が優しい声色を発した。
「私ね、中学の時のあなたの司会を見たことがあるのよ」
「そうだったんですか?」
「緑の靴、とってもお似合いだなぁって思ったの」
褒めるところ、靴ですか?
司会と全く関係がないし。
「そう思ったのは、私だけじゃなかったみたいだけどね」
「えっ?」
「じゃあ、時間通りにライブを始めるから。講堂にお願いね」
そう言い残して、学園長は私の教室を後にした。