へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

周りに女子たちがいることすら忘れ、明梨ちゃんの方をぼーっと見つめてしまった俺。

驚きを隠せない俺に、気がついたらしい。

目の前にいる女の子が、ヒソヒソ声で話しかけてきた。


「雅くん安心して。あの3人は、怖い人達じゃないから」


「なんか、普通じゃない空気を醸し出しているような……」


「ちょと強面な人は珀斗(はくと)くんって言ってね。TODOMEKIっていう暴走族チームの総長なの」 



ぼっぼぼぼぼ……暴走族??

ということは……



「一緒にいる女の子は……もしかして……総長の彼女さん?」



自分から聞いておいて、ドキドキが止まらない。


どうしよう。

総長の彼女だよって、断言されたら……



「あの二人は仲がいいけど、付き合ってはないみたいだよ」



良かったぁ。
 
仲がいいだけかぁ。


『明梨ちゃんは総長の彼女だよ』なんて言われたら

 俺、顔面から机にバタりだったからね。



「明梨はね、暴走族の姫なの」



そっかそっか、明梨ちゃんは姫か。

ドレスが似合うくらい可愛いから、納得……って……


姫??

暴走族の??


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