へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「で、次は俺な。連続バク天の前に、側転入れらるようになったんだから。明梨、ちゃんと見ろよな」
「マトイ君、相変わらず努力家だね」
「は? 俺、努力なんてしねえし」
フフフと笑う明梨ちゃん。
だから、マトイに笑わないで。
そんな隙だらけの笑顔で。
「最後は雅くんだね」
「うん。俺はステージ中央まで歌いながら行く。4人そろったらみんなで踊りだす。こんな感じだけど、明梨ちゃん大丈夫?」
「うん、わかったよ。曲紹介を考えたいから、5分だけ時間をちょうだい」
そう言って明梨ちゃんは、俺たちにとびきりな笑顔を向け、ステージ袖の隅まで走って行った。
そしてブツブツ独り言を言いながら、ノートにペンを走らせた。