へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「これも…… お守りだから」
俺の言葉に、恥ずかしそうにうつむく明梨ちゃん。
うつむかないで。
俺だけをちゃんと見ていて。
これからもずっと。
そう願いながら明梨ちゃんの顎をクイっと持ち上げると、明梨ちゃんはゆっくりと瞳を閉じた。
明梨ちゃんへの想いが、全部届くように。
俺は柔らかい唇に、そうっと自分の唇を重ね合わせた。
キスの後。
「お守り、2個ももらちゃった」
火照ったままの頬で、照れ隠しのように無邪気に笑う明梨ちゃん。
良かったぁ。
さっきまで緊張で体が震えていたけど、今は大丈夫みたい。
「じゃあ、スタンバイしよっか」
「うん。すっごく楽しみにしてるね。雅くんの歌とダンス」
とびきりの笑顔を俺に向け、明梨ちゃんはパタパタとステージ袖に向かって走り出した。