へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
明梨side
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学校が終わり、いつものように珀ちゃんに家まで送ってもらった。
「珀ちゃん、また明日ね」
「おう」
珀ちゃんが見えなくなるまで、笑顔で手を振ったけど。
いつも通りでいられたのは、ここまで。
うまく呼吸ができない。
体から飛び出してしまいそうなほど、激しく動く心臓に追い立てられちゃってるから。
あ~もう、ダメだ!
平穏な心じゃいられない!
自分の部屋まで猛ダッシュ!
と、いきたいところだったけど……
「明梨、お帰り!」
今一番会いたくない人に、引き留められてしまった。
「た…ただいま……恋ちゃん」
「どうした? 顔が真っ赤だけど」
恋ちゃん、鋭すぎ!!
ニヤニヤ顔で、私のことを見つめているし!!
「もしかして、珀斗っちと何かあった?」
へ?
「珀ちゃんとなんて、何にもないよ」
「それはかわいそうに。珀斗っちが……」
更にニヤニヤを増し、私を覗き込む恋ちゃん。
なんで珀ちゃんが、かわいそうなの?
今のうちに、さささと階段を上がっちゃおうって思ったのに。
さすが恋ちゃんだぁ。
私を簡単には、自由にしてくれない。