へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

雅くんと目が合った数秒間。

私を見つめていた雅くんの瞳は冷酷で、怒りさえ帯びているよう。


私の知っている3年前の雅くんは、誰にでもキラキラした瞳を向け、天使みたいにとびきりの笑顔を振りまく人で。

相手を睨みつけるような人では、なかったのに……



でも……当然だよね?

私に向ける瞳だけが、凍りそうなほど冷たいのは。


だって中3の時の私は、アミュレットのみんなに土下座しなければいけないほど酷いことをしてしまった。

そして謝ることもなく、みんなの前から姿を消したんだから。


あの頃の私は、アミュレットの専属司会者だったのに……
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