へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
なに? あれ。
ニヒヒ~と悪めいた、綾星の微笑み。
手をヒラヒラさせ、逃げるように俺の前から去って行っちゃったけど……
怪しさは残るが、まぁいいや。
俺も帰る支度しようっと。
そう思って振り返った瞬間
口裂け女じゃ、ないですよね……?
そう思わずにはいられないほど真っ赤な唇が、俺の心に恐怖の色を垂らした。
「みやび君、ちょっといいかな?」
余裕を含んだ笑み……怖い。
この場からドロンと消えたいくらい、怖いんですけど……
俺の後ろに立っていたのは、マネージャー。
いつも瞳をギラギラさせ、ダメダメ部分をつついてくる、絶対的な女王様。
俺に滅多に見せない、花丸満点な笑顔を浮かべている。
マネージャーの本性を知らない男なら、簡単に心を持って行かれそうなくらい女神級の笑顔。
でも気を付けて。
この美女、ハイパー毒舌マシーンに変貌するから。
100パーセント、確実に。