へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
作り忘れていた笑顔を、いそいで取り戻す。
ごまかすために、何か言葉を発しよう。
そう思った瞬間、吐き捨てるような低い声がこの場の空気を凍らせた。
「嫌なら来なくていいよ、俺たちのライブ」
……え?
私を拒絶するかのような雅くんの声に驚き、顔をあげる。
軽蔑しきったような雅くんの瞳が、私に突き刺さっていた。
そうだよね。
ライブに来て欲しくなんかないよね。
でも、慌てるように声を和らげたのは雅くんで
「俺の顔、恐ろしかった? ビビらせちゃってごめんね。今、演技の勉強中で。もっと恐ろしく!って怒られっぱなしだから、つい練習しちゃったんだ」
穏やかに微笑みながら、凍りそうなほど冷たい空気をポカポカに温めた。