へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「明梨さ、早く支度しろよ。今日はTODOMEKIに行く日だろ」
「行くの……ムリかも……」
「はぁ? なんでだよ?」
「だって今日の数学の宿題……終わらなそうだし……」
珀斗くんって明梨ちゃんにも、目を吊りあげての上から目線なんだね。
でも女の子は、強引系グイグイ男に惹かれるのかな?
クラスの女子たちが、珀斗くんを見てうっとりしているし。
俺にはない魅力だよ。
その時、珀斗くんが表情を一変させた。
「ったく。明梨、トドメキに宿題持って来いよ。数学ぐらい俺が教えてやるから」
ひえぇぇぇぇ!
言葉は乱暴。
なのに行動は正反対。
妹を可愛がるような優しい笑顔をうかべた珀斗くんが、明梨ちゃんの頭を撫でている。