へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
「顔……とか……?」
「鏡見なさいよ。雅は童話の中の王子様が飛び出してきたんじゃないかって思うくらい、目がぱっちりで綺麗な顔で。顔面偏差値は国際レベルでしょ。国際手配所に顔写真が載ったら、すぐに見つかって逮捕ね」
俺、手錠をかけられるような悪さをする度胸、持ってないですけど……
「じゃあ、歌唱力かな?」
「歌だって失恋ソングなら、圧倒的歌唱力でお客さんを泣かせられるのに」
マネージャーの目、血走っているけど。
血管が浮き出ているけど。
褒められているってことで、いいんだよね?
「問題なのは、ハッピーな恋愛ソング」
それのことかぁ……
心当たりアリアリです。
深いため息とともに、俺は肩を落とす。