俺から逃げられると思うなよ
「蓮? ……穂村?」
繁華街から少し歩いたところで名前を呼ばれる。
ラーメン屋の前で立ち止まった神崎くん。
私たちの名前を呼んだのは、間違いなく涼の声。
「なにしてんだよ」
ラーメン屋から出てくる涼。
その顔は普段と同じ表情で。
私たちを不思議そうに見つめている。
なにしてんだよ、って……。
私がなにしてんだよ、って言いたいよ。
「あんったねぇ! 晩ご飯はオムライスって言ったじゃん!」
「……は?」
神崎くんと涼の声が揃う。
「オムライスだって言ってるのに、なんでラーメン屋から出てくるのよ!」
神崎くんの背中の上で、“ラーメン”や“オムライス”を繰り返し叫ぶ私。
うるさい、と、涼の表情が言っているけど、そんなことかまっていられるか。
オムライス、みんなで食べようと思っていたのに。
久しぶりに4人集まったから、一緒に食べたかったのに。
なんで、ひとりでラーメン食べちゃうのかな。
寂しいじゃん!
私は、さっきまで怖い思いをしていたことも忘れて、涼に文句を言う。
繁華街から少し歩いたところで名前を呼ばれる。
ラーメン屋の前で立ち止まった神崎くん。
私たちの名前を呼んだのは、間違いなく涼の声。
「なにしてんだよ」
ラーメン屋から出てくる涼。
その顔は普段と同じ表情で。
私たちを不思議そうに見つめている。
なにしてんだよ、って……。
私がなにしてんだよ、って言いたいよ。
「あんったねぇ! 晩ご飯はオムライスって言ったじゃん!」
「……は?」
神崎くんと涼の声が揃う。
「オムライスだって言ってるのに、なんでラーメン屋から出てくるのよ!」
神崎くんの背中の上で、“ラーメン”や“オムライス”を繰り返し叫ぶ私。
うるさい、と、涼の表情が言っているけど、そんなことかまっていられるか。
オムライス、みんなで食べようと思っていたのに。
久しぶりに4人集まったから、一緒に食べたかったのに。
なんで、ひとりでラーメン食べちゃうのかな。
寂しいじゃん!
私は、さっきまで怖い思いをしていたことも忘れて、涼に文句を言う。