俺から逃げられると思うなよ
ざわざわとした教室の中、1番最初に名前を呼ばれ、教団の前に行く。

用紙を受け取れば、教室が静まり返る。


点数見るより緊張するなぁ。


私は受け取った用紙の点数を見る前に、2つに折りたたむ。

そうでもしないと、点数を前の席の人たちが覗いてきそうなんだもん。


視線に耐えながら自分の席に戻る。


そっと席に座り、テスト用紙を開く。



「えっ」



小さく声を漏らす。



「98点……」



呟いたのは私ではなく、神崎くんだった。



「ちょ! 勝手に見ないでよっ」

「俺のも見せる」



神崎くんはそう言うけれど、私、人の点数とか興味ないんだよな。


だけど、あまりにも神崎くんが強く言うので、私は頷いてしまった。
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