俺から逃げられると思うなよ
放課後。


黒板前の教団に立っている私と、席に座っているクラスメイト12人。

クラスメイトの12人のうち、2人は神崎くんと涼。

そして、どこから噂を聞いたのか、千秋くんも教室の席に座っている。


合計13人を前に、私は教団に立っている。


こんなに緊張するものなのか。

緊張していても仕方がない。


とりあえず、テストの最初の問題を黒板に書き出す。



「えーと。この問題なんだけど、分かる人……」



しーんとする教室。


え、みんな分からないの?

神崎くんは分かるよね!?


と、助けを求めて視線を向けるがスルーされる。


自分の教え方の下手さを痛感する。

そう思うと、大勢の生徒を前に、勉強を教える先生はすごいなぁ。


先生みたいな教え方は出来ないし……。


沈黙が流れる教室。

気まずい。


何とかしなきゃ、と、思うのに声が出てこない。


私が、できること……。
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