俺から逃げられると思うなよ
時計を見れば、6時近くにまで時間が進んでいた。


朝ご飯とお弁当を作らなきゃ!


私は勉強机から離れて、ベッド横のクローゼットの前に行く。

パジャマから私服に着替えようとクローゼットに手を伸ばす。


だけど。

振り返ると、千秋くんが気持ちよさそうに寝ているではないか。

ここで着替えて起きちゃったら、恥ずかしいので着替えるのはやめよう。

諦めて、パジャマのままご飯をつくろう。


私は、そっと部屋から出てリビングへ向かう。


リビングに入ると。



「……はよ、」



涼がソファでくつろいでいた。



「おはよ。起きるの早いじゃん」

「今日だけな」



テレビの音がリビングに響く。

6時からバラエティ番組なんて、もちろんやっていなくて。

ニュースばかりのテレビに涼は退屈そうだった。


そんな涼に、声をかけてみる。
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