俺から逃げられると思うなよ
「おはよぉ」

「おはよ」



千秋くんと神崎くんがリビングへ入ってくる。

眠そうな2人に挨拶を返す。


作った朝ご飯をテーブルに並べていると。



「体が痛いよぉ」



千秋くんが大きな声で言う。



「寝違えたか」



涼が笑う。

千秋くんはむっとしたのか、軽く涼を睨みながら、とんでもないことを言う。



「茜ちゃんと寝たの!」

「はっ!?」



千秋くん以外の声が重なる。

私も思わず反応してしまった。

そして私に集まる視線。



「いやいやいやっ! 寝てないからね!?」



私、一睡も寝てないし!

と、言いたかったのに、その言葉は涼によって遮られる。



「お前ら、そういう関係かよ」

「違うからねっ!?」



あわてて否定するけれど、涼と神崎くんは誤解をしてしまったようで。

思い切り睨まれた。

違う、と否定しても聞いてくれない2人。

そして他人事のような千秋くん。


今日の朝ご飯はぴりぴりとした雰囲気で、美味しくご飯を食べることが出来なかった。
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