俺から逃げられると思うなよ
「1日で作ったの?」

「うん! メッセージのおかげでやる気が上がったから!」



佐藤くんはルーズリーフをめくる。

そのたびに感動してくれて。

佐藤くんの姿を見ていて、作ってよかったなぁ、と思った。



「ありがとう! 勉強、頑張れる!」

「うんっ! 頑張ろう!」



佐藤くんは『ありがとう』と言って自分の席に戻っていった。


うん。

元気がでた。

朝のことなんて気にしていられるか!

私には、この冊子を配る使命があるのだから!


眠気も吹っ飛び、赤点のクラスメイトに冊子を配り歩く。

ありがとう、と受け取ってもらえることが嬉しかった。
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