俺から逃げられると思うなよ
第4章

夏休みになりました。

「あーっ、僕のから揚げ!」

「別に誰のでもないだろ」

「……早い者勝ち」



わいわいと晩ご飯を食べています。


意外に話を切り出すって大変だな。

でも、聞かなきゃ分からないし!



「あのー」



私が口を開くと、一斉に集まる視線。



「えっと」

「なんだよ」



切り出しにくいんだって!

だけど、いつまでも黙っているわけにはいかないので、思い切って言う。



「みんなは、夏休みどうするの?」



言えた!

なぜか緊張していたけど、言えたよ!


心の中で自分を褒めていると。



「どうするって、なにが?」



なんて逆に質問されてしまった。



「夏休み……、実家とかに帰るの?」

「俺は帰んねぇぞ」



涼が答えてくれる。

それに続いて、



「帰らない」

「ここにいるよーっ」



と、返事が返ってくる。


夏休み、みんなで遊べるんだ……、と思うと嬉しくなる。
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