俺から逃げられると思うなよ
だけど、5分で選んで試着する時間なんてないので、先ほど試着した水着を探す。

探していると、トレンドコーナーに先ほどと同じ水着が置いてあった。

そこからピンクと白の水着を手に取り、レジへ持っていく。

お会計を済まして、涼のもとへ戻る。



「お待たせ」

「遅い」



いや、5分以内に終わらせたからね?

だけど、待たせていたことは事実だったので、



「ごめん」



と、素直に謝る。



「帰るぞ」



お店を出て行く涼を追いかける。

ショッピングモールから出た私たちは、家へ向かう。


さっき、あわてて水着を買ったけど……。

変じゃないかな?

試着した姿を、一瞬、涼に見られた気もするけれど、涼は何も言わなかったし。

見ていなかったのかな。


朝比奈さんが選んだ水着を買ったのも少し嫌だけど、水着は悪くないから。

それに、似合っているかは分からないけど、一度着てみたかった憧れのビキニだったから、買えてよかったのかもしれない。

似合う似合わないは別として。
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