俺から逃げられると思うなよ
私はヤケクソでパーカーを脱いだ。

熱い風が肌に触れる。


水着姿をさらした私は、怖いものなしだ!



「……」

「……」

「……」



と、思っていたんだけど。

私を見つめたまま、無言で何も反応しない彼ら。


なんか言ってよ!



「な、なに……」



何も言わない彼らの視線に耐えられず、私は口を開いた。



「そんなに変!?」



私の言葉に、1番最初に反応してくれたのは神崎くんだった。



「パーカー着て」

「え!?」



鞄にしまおうとしていたパーカーを神崎くんに押し付けられる。



「茜ちゃん……。大胆」



千秋くんはパーカーの代わりに浮き輪を押し付けてくる。



「よくそんなの選んだな」



顔を真っ赤にしながら涼が呟く。


ちょっと待って。

扱いひどくないですか?


私はパーカーと浮き輪を押し付けられ、今にも転びそうなんだけど。
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