俺から逃げられると思うなよ
「2人はそういう関係だったんだぁ!」



嫌味たっぷりの朝比奈さん。



「私の代わりが見つかってよかったね!」



その言葉。

涼をどれだけ傷つけていると思っているの。


私の代わり?

涼はそんなことをする人じゃない。

誰かの代わりを作る人じゃない。

人を思いやれる、優しい人なのに。


私は朝比奈さんの言葉が許せなかった。

涼、苦しそうな顔をしていることが気付かないの?

涼にこんな顔をさせている朝比奈さんに対して怒りが湧く。

その怒りは朝比奈さんの言葉で爆発した。



「穂村さんに飽きたら、私のところへ戻ってきていいからね!」

「それ以上……、口を開くな」

「え?」

「それ以上口を開くな、って言ってるの!」



私は、涼の手を握り続けている朝比奈さんの手を振り払う。

涼と朝比奈さんの間に入って言葉を続ける。
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