俺から逃げられると思うなよ
リビングへ集まる。

なぜか機嫌が悪い男3人。


この空気、どうにかしてもらえませんかね?

あ、この空気をなんとか出来るのは、もしかして私だけですか?


私は思い切って口を開く。



「涼の誕生日、みんなでお祝いしようよ!」




帰り道に涼から聞いた情報を口にしてみる。


夏休みも後半になる。

夏休みが終わる3日前の8月21日は涼の誕生日だ。

せっかくなら、みんなでお祝いしたい。


3人の顔を見渡せば、それぞれ違った表情をしていた。

神崎くんは拗ねたような複雑な表情。

千秋くんは頬を膨らまして少し怒ってる。

涼は、少しだけ嬉しそう。


……この話題は良くなかったかな。

いや。

でも、大事な記念日だし。

みんなでお祝いしたい。



「俺の誕生日、祝ってもらってない……」



神崎くんが拗ねたように、呟く。



「え? 神崎くんの誕生日、いつ?」

「……6月7日」



うーん。

なんて言えばいいんだろう。
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