俺から逃げられると思うなよ
「……部屋の飾りもすげぇな」

「僕がやったんだよ!」

「片付け大変だな」

「そういうこと言わないでっ!」



2人のやりとりに思わず笑ってしまう。

涼が意地悪そうな顔をして、千秋くんが頬を膨らませて。

神崎くんがそれを見て笑って。


楽しいな。



「オードブルだよ! ケーキもあるんだよ!」



気を取り直したのか、はしゃいだ千秋くんは椅子に座る。

それにつられて、私たちも椅子に座る。



涼の誕生日。

いつもと違った光景。

なんだか新鮮でワクワクする。


みんな、それぞれ取り皿に好きな食べ物を取る。



「……おいしい」

「ケーキ食べたい!」

「ケーキは食後だろ」



そんなくだらないようなやりとりでも、今日は特別だ。


お誕生日おめでとう、涼。
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