俺から逃げられると思うなよ
「あ、おかえりー」

「ただいま」

「おう」



返事をする神崎くんと涼。

現状理解に頭が追いつかないんですけど!?


しかも、ソファから顔を出している、超絶かわいい男の子は誰!?

弟!?


茶髪で、くりっとした大きな目。

色素薄い系男子っていうのは、この超絶かわいい男の子のためにある言葉。

一瞬女の子かと思ったけど、多分男の子で合っているはず。


だって。

ソファから降りて、こっちへ歩いてくるその制服は、間違いなくウチの学校のもの。

しかもネクタイの色からして、同じ学年。



「その子、誰ー?」

「穂村、だ」

「茜、だよ」

「穂村 茜ちゃんかー。聞いたことない名前」



私の代わりに紹介してくれるのは嬉しいけど。

超絶かわいい男の子が、不審そうに私を見ている。


自分で自己紹介して、ってことかな?
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