俺から逃げられると思うなよ
今日も上履きがなくなっていたけれど、探すのは面倒くさいので、スリッパを借りた。
歩きづらいけれど、探し続けるよりはいいかな……、なんて考えていた。
だけど、その考えは失敗だった。
歩きづらいスリッパ。
足を引っ掛けられた、と思えば派手に転んでしまった。
そんな私を見て、見下したように笑う見ず知らずの人。
悔しかったけど、なにか言えるわけでもなく、黙って教室へ入った。
今日も、机と椅子が置いてあった。
それだけで、少し安心できる自分がいた。
机に荷物を置いてから、教室を見渡す。
私を見ては、クスクスと笑うクラスメイト。
そんなクラスメイトに混じらず、イヤホンをしているクラスメイト……。
神崎くんだ。
その横で涼が携帯をいじっている。
2人と視線が合うことはない。
寂しさを感じるけれど、これでいいんだ。
彼らを守るためなんだから。
私は椅子に座り、鞄から教科書を出す。
次の授業は、数学だっけ。
転校したばかりのときのことを思い出す。
神崎くんが、隣の席にいて。
思い切り笑われたことを懐かしく思う。
教室の端で、涼も大爆笑していた。
もう、そんな楽しい思い出を作ることは出来ないのかな。
そう思うと、切ない。
切ないけれど。
彼らと関わらないことで、彼らを守ることが出来るなら。
私は迷わず、その方法を貫き通すよ。
歩きづらいけれど、探し続けるよりはいいかな……、なんて考えていた。
だけど、その考えは失敗だった。
歩きづらいスリッパ。
足を引っ掛けられた、と思えば派手に転んでしまった。
そんな私を見て、見下したように笑う見ず知らずの人。
悔しかったけど、なにか言えるわけでもなく、黙って教室へ入った。
今日も、机と椅子が置いてあった。
それだけで、少し安心できる自分がいた。
机に荷物を置いてから、教室を見渡す。
私を見ては、クスクスと笑うクラスメイト。
そんなクラスメイトに混じらず、イヤホンをしているクラスメイト……。
神崎くんだ。
その横で涼が携帯をいじっている。
2人と視線が合うことはない。
寂しさを感じるけれど、これでいいんだ。
彼らを守るためなんだから。
私は椅子に座り、鞄から教科書を出す。
次の授業は、数学だっけ。
転校したばかりのときのことを思い出す。
神崎くんが、隣の席にいて。
思い切り笑われたことを懐かしく思う。
教室の端で、涼も大爆笑していた。
もう、そんな楽しい思い出を作ることは出来ないのかな。
そう思うと、切ない。
切ないけれど。
彼らと関わらないことで、彼らを守ることが出来るなら。
私は迷わず、その方法を貫き通すよ。