俺から逃げられると思うなよ
すると、男は複雑そうな表情で。



「今からでも、間に合うと思うか……?」



ん?

何に間に合うの?

バスか電車の時間?



「彼女、戻ってきてくれると思うか?」



ああ、そっちですか!

そういうお話をしている途中でしたもんね!


私は慌てて、言葉を返す。



「今のあなた方は“神崎”って人より、素敵だと思います!」



……“神崎”さんを知らないけれど。

私は満面の笑みをキープしていると、男たちはほっとしたように笑って。



「ありがとな!」



と、嬉しそうに去っていった。


うん。

無事解決して良かったよ!


ひとりで頷いていると。



「……何してんの?」



男の子の声が後ろから聞こえた。

助けるつもりが、完全に放置していた。

だけど、男たちは居なくなったし!


私、男の子を守れたよね!?


< 3 / 276 >

この作品をシェア

pagetop