俺から逃げられると思うなよ
「別にっ。あの2人には案内なんて出来ないと思うしっ」



うーん。

そう言われると確かに。

神崎くんは無言のまま、家の中を歩き回って終わり、って感じがする。

涼とは、喧嘩しながら家を走り回って終わり……。


うん。

やっぱり、千秋くんが案内してくれて良かった。



「ありがと」

「さっきも聞いたーっ」



千秋くんはかわいい笑顔を浮かべながら、階段を下りていった。


私は荷物を自分の部屋に置く。

なんだか、色々あった1日だなぁ。

転校3日目にして、色々なことが起こった。

今までの2日間はなんだったんだろう、と思うくらい。


あの3人とルームメイトになったことに実感はまだ湧かないけれど、今は仲良くやっていけたらいいなぁ……、なんて思う。

一緒に暮らすなら『いやだ』とか、言っていられないもんね。
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