俺から逃げられると思うなよ
そういえば……。

今何時だろう。


部屋に置かれていた時計を見ると、7時だった。


7時かぁ。

って、晩ご飯の時間とかじゃないの!?


私は広げていた荷物を、そのまま置きっぱなしにして、階段を駆け下りる。



「足音うるせー!」



涼の声のほうがうるさいと思うけど。

その言葉は、ぐっと飲み込んで。



「晩ご飯は!?」



ソファにのんびり座っている3人に聞く。



「まだ食べてないよーっ」

「腹減った」

「……うん」



少し安心した。

コンビニ弁当で済ませた、とか言われたら嫌だ。

体に悪いもの。

一緒に住むからには、のん気な男たちを健康体にさせてやる!



「茜のご飯が食べたい」



神崎くんがぽつりと言う。



「そのつもりだけど……」



私の言葉に、笑顔を浮かべた神崎くん。

そんなに笑顔になるようなことかな?

今まで、なにを食べて生活してきたの、って逆に心配になる。



「キッチン借りるね」
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