俺から逃げられると思うなよ
私は、心の中で『バカ』を連呼してから、調理用鍋を取り出す。

仕方ないから、この鍋を使おう。


しばらく、ぐつぐつ煮込んで完成させた。

ご飯も炊いたし、準備はいいよね。


私は調理用の鍋をテーブルへ持っていく。



「ご飯、出来たよー」



その言葉を合図にテーブルを囲む3人。



「なにこれ。赤いスープ?」



千秋くんが、疑いの目を向ける。

『これって、食べ物?』と、言いたげに。



「キムチ鍋だよ。今日はみんなで鍋パーティー」



神崎くんと涼が椅子に座る。

だけど、千秋くんは。



「僕、食べないからねっ」



と、ソファに戻ってしまった。


え、なんで。

もしかして。



「辛いの苦手だった?」

「……」



返事が返ってこない、ということは図星ですか?

思わず涼を睨む。
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