俺から逃げられると思うなよ
ようやくたどり着いた教室。

『2-A』


なんとなく後ろを振り返ると。

なぜか私の後ろで突っ立っている、超絶イケメンくん。



「私のクラスに何か、用事ですか?」

「は?」



眉をしかめるその姿もかっこいい。

……じゃなくて。


なんで、私の教室の前に彼がいるのか知りたい。



「俺、このクラスなんだけど」



教室を指差す彼。



「……もしかして、お前が“転校生”?」

「えっと。確かに私は、3日前に、この学校に転校してきましたけど……」



そう。

私は隣町から、この学校に転校してきたのだ。

高校2年生の6月に。

ものすごく中途半端な時期に転校してきたのは、私ですけど。


あれ?

もしかして、私が気づかなかっただけで、この超絶イケメンくんはクラスメイトだったりするのかな?
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